金属を削り取る道具です。「刮(きさ)ぐ」からきた名前です。
工業分野でのキサゲとは形も大きさもまったく違いますが、金属を削る点は同じです。工業分野では直方体に近い超硬チップを腕程もある長さの柄に取り付けて、腰をあてて削ります。写真では鋭利なナイフのようですが、刃の部分は、工業分野のキサゲと同様に直角に近い角が付いているだけです。
ヤスリをかけた後のヤスリ目を削り取ったり、酸化した皮膜を一皮剥くのに主に使いますが、成形に使ったりもします。ダイヤ砥石があると良く切れる状態に楽に保つ事が出来ます。よく使う人と、あまり使わない人と個人差があるようですね。
工業分野では工作機械の摺動部(しゅうどうぶ)※や高級定盤※などに使います。ホームセンターなどの工具などには施しませんが、産業用の工作機械となるとキサゲを施します。これによって精度が上がるのはもちろん、数トンもある機械が指一本で動くなんて夢みたいな事が出来るそうです。削り取った跡に模様が出来ますが、元禄とか三日月とか千鳥とか優雅な名前が付いてます。
※摺動部:部材同士が擦り合って動作する部分
※定盤:正確な平面を作ってある測定器具
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